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チタンについて

チタニウムエイジ ~夢の実現から実用金属へ~

さまざま実用金属が世の中に広まり金属は人間の生活には無くてはならない物になっています。

夢の金属から実用金属へ変身を遂げたチタンの起源、特徴、用途について。

また、製造方法や製造工程についてご紹介いたします。

下の各ボタンをクリックしてぜひチタンについて学んでみてください!

チタンの起源

金属の歴史は約6000年前の銅に始まり、約4000年前には鉄、約100年前にはアルミが誕生しました。

チタンはそれらの金属より遅れて約60年前に誕生した若い金属です。

1790年イギリス人鉱物学者 グレゴーが海岸の砂鉄の中から鉄以外の金属酸化物があるのを発見したのが最初と言われています。

名付け親はグレガーとは異なりドイツ人科学者 クラプロートです。

名前の由来はギリシャ神話の“タイタン(巨人)”にちなんで“チタン”としたのです。

このとき発見されたチタンは金属と呼べるものではなく酸化物の状態でした。チタンは酸化物の状態で安定する為、酸素を取り除くことが難しく、その後何人もの化学者が挑戦しましたがことごとく失敗に終わりました。

金属チタンになったのは100年以上経った1910年アメリカ人 ハンターによってです。その製造方法は酸化チタン(TiO2)を塩素(Cl)と化学反応させ四塩化チタン(TiCl4)とし、それをナトリウム(Na)で還元するナトリウム還元法(ハンター法)です。

ハンター法をもとに1946年ルクセンブルク人 冶金学者 クロールがマグネシウムで還元するマグネシウム還元法(クロール法)を開発し、大量生産することが可能になりました。

現在でもこのクロール法が一般的な製錬法として採用されています。

チタンの特製

チタンの代表的な特性は軽量、高耐食性、高比強度です。比重が4.51で普通鋼(7.9)、銅(8.9)と比較すると一目瞭然です。

高耐食性で海水中では白金(Pt)に匹敵するほどの耐食性があります。

また、高比強度でアルミニウムの約6倍、普通鋼の約2倍です。

その他、無害・生態適合性 、非磁性 、不燃性・耐熱性 、意匠性などがあります。

小職が営業をしていていつも困ることがあります。それはチタン=オールマイティという印象が強いことです。

チタンであっても不得意な部分があります。価格が高価、耐磨耗に劣る、熱・電気伝導率が低いなどです。

価格は非常に重要な要素ですのでチタン協会などでは新精錬方法などの開発・研究をしております。

チタンの用途

チタンはあらゆる分野で使用されています。

電力・化学プラントでは海水淡水化装置、復水器、タービンブレード、脱硫装置、熱交換器、反応槽、配管、電極、タンクローリーなど。

航空宇宙では航空機の機体部材・エンジン部品、ロケットの部品・燃料タンクなど。

自動車ではエンジン部品(コンロッド、バルブ、リテーナー、サスペンション)、二輪、四輪マフラーなど。

建築・モニュメントでは屋根材、内外壁、床材、発色建材、モニュメント、橋梁用ワイヤー、海上橋脚、手摺など。

海洋土木では漁船、深海艇、地震計、海底石油ライザーパイプなど。

IT半導体用途ではステッパー、冷却プレート、搬送用フレームなど。

医療では人口骨、歯根、心臓弁、心臓ペースメーカー、ステント・カテーテル、動脈クリップなど。

食品では醸造用熱交換器・タンク、食品機器用電極、アルカリイオン整水器電極など。

スポーツ民生品関連ではゴルフ用品、テニスラケット、スキー、自転車、登山用具、剣道面、メガネフレーム、時計、デジタルカメラ、携帯電話、アウトドア用品、ポット、中華鍋などです。

最近では潮力発電、地熱発電、海洋温度差発電などのグリーンエネルギー関係での使用が期待されています。

■B777旅客機 約60~70t/機 ■B787旅客機 約100t/機

■東京ビックサイト屋根、側壁 約140t ■100MW級PWR型原子力発電所 約200~250t

■13万t/日 MSF型海水淡水化プラント 約1500t

■10万t/年 テレフタール酸プラント 約30~50t

チタンの製造方法

チタンは地中に存在する金属元素のなかでAL、Fe、Mgに次いで4番目に多く、豊富に存在します。

酸化チタンを約90%以上含有するルチル鉱と鉄酸化物と酸化チタンがそれぞれ50%であるイルメナイト鉱が現在はチタン鉱石として使用されています。

日本では産出しない為、主としてオーストラリア、カナダ、インドなどの外国より輸入をしています。

前号で説明しましたようにチタンは地中に酸化チタン(TiO2)の状態で存在しており、 マグネシウム還元法(クロール法)で生産されています。生成されたチタンはスポンジのような形状に見えることからスポンジチタンといいます。

そのスポンジチタンを溶解、鍛造、圧延することによりチタン展伸材が生産されます。

チタンの製造工程

スポンジチタンの製造工程

①チタン鉱石から四塩化チタンへ 『TiO2+2Cl2+2C → TiCl4+2CO』

原料となるのはほとんどがルチル鉱でそれに塩素(Cl)と炭素(C)を加え、約1000~1100℃で反応させて、中間材料となる粗四塩化チタン(TiCl4)を作ります。高温での反応の為、粗四塩化チタンは気体ですが、冷却し液体にします。粗四塩化チタンを蒸留塔にて精製し、純粋な四塩化チタン(無色透明)を次工程へと送ります。

②マグネシウムで還元し、スポンジチタンを製造 『TiCl4+2Mg → Ti+2MgCl2』

不活性ガス(アルゴンガス)で満たされた容器中に溶体のマグネシウムを投入した後、液体の四塩化チタンを滴下して反応させ、チタンと塩化マグネシウムに分離することでスポンジチタンを製造します。スポンジチタンを2~3cmほどに破砕し、アルゴンガスでドラム缶に封入します。

また分離された塩化マグネシウムは、電気分解により塩素とマグネシウムに分離して、再び反応工程へと戻し活用します。

工程図はこちら

チタン展伸材の製造工程

①スポンジチタンからチタンインインゴット製造

2~3cmのスポンジチタンをプレスで圧縮し、20~40cmほどのコンパクトを作ります。

コンパクトを組合せ円柱状に溶接し、消耗電極式アーク溶解炉(VAR炉)にて真空溶解を通常2回行い、インゴットを製造します。インゴットは数トン~10t以上にもなります。また、エレクトロビーム溶解炉(EB炉)ではスクラップ(切材、端材等)も溶解することができ、リサイクルすることが可能です。

②分塊、鍛造、圧延を行い展伸材へ

インゴットを所定のサイズへ分塊、鍛造、圧延しビレットとスラブに分かれます。

ビレットは丸棒類の線、棒、型材、継目無管、スラブは板類の板、溶接管、圧延コイルになります。分塊~展伸材の工程はステンレス鋼などと同様の工程です。

上記の工程を経て生産された丸棒、板などが加工され、皆様が目にされるメガネフレーム、時計、ゴルフクラブなどになります。

工程図はこちら
チタン及びチタン合金一覧表
■純チタン
鋼種名 熱処理 引張り強さ(Mpa) 0.2%耐力(Mpa) 伸び(%) 特長 主な関連規格
JIS1種 焼鈍 270~410 165~ 27~ 成形性 ASTM G1
JIS2種 焼鈍 340~510 215~ 23~ 汎用性の高い
代表的品種
ASTM G2、AMS4902
JIS3種 焼鈍 480~620 345~ 18~ 中強度 ASTM G3、AMS4900
JIS4種 焼鈍 550~750 485~ 15~ 高強度 ASTM G4、AMS4901、4921


■耐食合金
鋼種名 熱処理 引張り強さ(Mpa) 0.2%耐力(Mpa) 伸び(%) 特長 主な関連規格
0.15Pd JIS12種 焼鈍 340~510 215~ 23~ 耐隙間腐食性 ASTM G7


■α-β合金
鋼種名 熱処理 引張り強さ(Mpa) 0.2%耐力(Mpa) 伸び(%) 特長 主な関連規格
6AI-4V JIS60種 焼鈍 895~ 825~ 10~ 汎用性の高い
代表的合金
ASTM G5
6AI-4V ELI JIS60E種 焼鈍 825~ 755~ 10~ 低温靭性 ASTM G23


■β合金
鋼種名 熱処理 引張り強さ(Mpa) 0.2%耐力(Mpa) 伸び(%) 特長 主な関連規格
22V-4VI JIS80種 ST 640~900 ~850 10~ 冷間加工性
時効硬化性大
DAT 51
15V-3Cr-3Sn-3AI ST(STA) 745~954
(1000~)
690~835
(965~1170)
12~
(7~)
冷間加工性
時効硬化性大
AMS 4914
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2012.11.26.

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